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綾子十七歳、二人目の男はクラスメイトだった柳くん。あたしは同年代にあまり興味なかったのだけれど、どうしてもって言うから、半年だけ付き合った。でも、付き合ったって感じはしなかった。なんか、子犬を可愛がってる気分、頼めばなんでもしてくれたし、たくさん話しかけてくれたけど、全然価値観が違うとしか思わなかった。それでも半年続いたのは、あたしに他の相手がいなかったし、夜を生活の中心にしてたから、昼間は常にうつらうつらしていて、もう、何事も面倒くさくて、仕方なかったこともあると思う。柳くんはそんなあたしのために日中働き回ってくれていた。そういう点ではあたしをいちばん支えてくれた男だったかもしれない。柳くんには振られてしまった。彼は最後に何か怒ったように、たくさん、たくさん、話しかけていたけれど、あたしは眠くて、よくわからなかった。でも次の日から呼んでもきてくれなくなって、ああ、振られたんだなって、わかった。
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