君が見える音でありたい。

息ができない。

元カレがパチンコに明け暮れているらしい。
飲食店の時短要請でラーメン屋のアルバイトをクビになったらしい。
当たり前だ。あんなモラルもかけらもない自分さえよけりゃそれで危機感のないやつは切られるのが正当だ。
カッコつけて、イケメンの顔が隠れるからとマスクも半分して除菌は気が向いたときだけ。寄りたくない。

本当のイケメンはマスクしても、カッコいんだよ。

勘違い男、落ちればいい。

「モモミ、久しぶり」

10メートル先で手をふる金髪の男がいた。

元カレの類だった。

ぎゃーー。

「来ないでっ！」

私はダッシュで走って逃げた。

「モモミ、なんで逃げるんだよ。明後日、ライブ来いよー」

誰が行くか。
こんな時にせまいライブハウスに行くか。

ま、このご時世、元カレのライブに見にくる人なんていない。
観客はガラガラで、ソーシャルディスタンスは保てるかもね。