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「それじゃあ、また明日な」
「うん。今日はゆっくり休んでね」
湊の家は、道路を挟んで私の家の向かい側にある。
小さい頃から家族ぐるみで交流があって、互いの家を行き来することもしょっちゅうだった。
私は玄関の扉に手をかけて、湊の家の扉が閉まるまで待った。
何も意味はないけど、なんとなくいつもそうしている。
湊の姿が完全に見えなくなったのを確認して、私も家の中に入った。
扉を開けた瞬間に漂ってきたいいにおいに、私の頭は一瞬で食事モードに切り替わった。
「ただいまー」
「おかえり。すぐにご飯にするから、早く着替えてらっしゃい」
「はぁい」
リビングにはお母さんもお父さんもいて、お母さんが夕食の準備をしていた。
今日のメニューは私の大好物のカレーだ。
自分の部屋に入り、カバンを置いてカーテンと窓を閉める。
窓からは湊の家の庭が見えて、そこにはバッティング練習用のネットがある。
制服から部屋着に着替えた私は、すぐにリビングへと向かった。
すでにカレーが食器によそってあって、あとはもう食べるだけの状態だった。
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