オーナーとの面会

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 豪華な装飾品が美しく配置された気品あふれる部屋の主の姿。  年輪を重ねてるが、間違いなく、僕の知ってるオーナーだ。 「少年‥‥まさか本当に、あの王子なのかね? よく顔を見せておくれ」 「はい」  オーナーに歩み寄る。 「ああ、御父上の面影が‥‥よくぞ生きて戻られましたな。して、御父上は?」  僕の顔をしっかりと見定めてから、優しく抱擁してくれるオーナー。 「僕と彼女を守る為に亡くなりました。その後、僕は奴隷として働かされて‥‥」 「さぞ、ツライ経験をなされたのですな。国へと帰還予定の日を過ぎても戻られぬ故、捜索の手を尽くしたのですが‥‥とある村で二人とも行方不明になったと」  オーナーは、涙を浮かべ、喜んでくれている。
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