オンライン風邪

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 最近では、長引く頭痛、倦怠感、肩や目のこりを訴えて病院を訪れる人が急増。その大半の原因が、デジタル画面の見すぎや、座りすぎだったため、「オンライン風邪」の俗称で新たな現代病として知られるようになったのだ。  診断基準としては、この他に、  ・三十七度~三十七度四分の高体温(これ以上は発熱と見なされ、新型ウイルスへの感染の疑いあり)  ・直近一週間で、三日以上オンライン授業、会議、飲み会などに参加している  ・食欲不振、不眠  などが挙げられる。  なんていうか、具体的なのか大雑把なのかよく分からない。  思えば俺も、この一週間くらいずっとリモート会議詰めで、頭は痛いし、だるいし、なかなか寝つけないし……もしや? と思って受診したところ、オンライン風邪と診断されて、医者にすすめられるまま「オフライン休暇」なるものをいただき、三日ほど仕事を休んでいる。  通常の風邪と同じく特効薬はないので、個々の症状に効く薬をもらって、ひたすら安静にして回復を待つしかない。そんなふうだから、ぶり返す人も多いんだとか。
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