始まりの4月

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始まりの4月

この世界にあなたしかいなかったら?そう考えている。私はもっと自分らしく生きられたのかも、そう夢想する。誰に言っても私のことは頭のおかしい人間だと差別された。私の心の中には、いてはいけない人がいる。それは、誰にも明かしたことの無い私の秘密だった。過去に虐待されている。私はその事を誰にも知られないように生きてきた。それは、社会的に惨めだったからだ。だけど、私は1人の男に出会ってしまった。彼は何もかも全てを見通し、それでも私という人間を理解したいと言った。 それって、単純な興味から来るものなの? いいや、違う。そういうのは愛ってなに言うの。(笑) ナニ?それ、そんなこと言う人初めて見た。 いやいや、ここにいるし。失笑。 彼は凄くクレバーで良く分からない。難しい言葉を沢山知っている。哲学とかを昔読み漁ったそうだ。柄谷行人やら、吉本隆明やら、マニアック過ぎて、普通のファンタジーを読んだ私のような凡人には遠く及ばない境界の話だ。彼は凄く頭が良い。そして、恐ろしい程クリエィティブだ。時折、彼に神のようなモノを感じる時がある。私はこの男に俄然興味が湧いてしまった。それが恋の始まりだとは、この時は私は知りもしなかった。この世界にはヤベェ位すげぇやつが五万といるが、その中の1人に出会ってしまった。それは、奇跡とも呼べるものかもしれない。続く。
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