その2:大勝負の舞台裏

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 肌黒な女子が、もじもじしながら彼にすり寄る。 「こんなキモブタ撮ってきたんだし、そろそろメッセのID教えてほしいな…なんて」 「また今度な」  アキトは素っ気なく言いながら、スマートフォンを投げ返す。  肌黒女子はあわててそれをキャッチすると、「ええ~!」と不満げな声をあげた。  その頬に、アキトが軽くキスをする。 「!?」  甘い不意打ちに肌黒女子は腰が抜けてしまい、その場に座り込んだ。 「あ、あた、あたし…! アキトくんにちゅーされちゃった…!」  肌の黒さを超えるほど顔を赤くする。  そんな彼女に、ライバルたちがうらやましそうに口をとがらせた。 「いいな~!」 「私もちゅーされたい!」  女子生徒たちの声はアキトへ向けた懇願でもあったが、当の本人は全く取り合わない。もはや用済みとばかりに、肌黒女子を含めた女子生徒全員をその場に残して去っていった。  アキトは学校中の女性をものにしているわけだが、いくら彼が器用でも何百人も同時にかわいがることはできない。  そこで考えたのが、女性たちをランク付けして競わせるというものだった。
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