その2:大勝負の舞台裏

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 その競い合いに与えられる最高の賞品は、アキトと過ごす甘い時間である。  彼の気まぐれにより、甘い時間を味わえるのはひとりだったりふたりだったり最大5人だったりしたが、女性たちは必死に自らの美と媚を磨き続けた。  賞品は他にも、学校にいる間ずっと彼のそばにいられる権利や、その時間を午前だけ午後だけに分けたもの、ショートメッセージアプリのIDを教えてもらえる権利、夜に電話で話せる権利など多岐に渡る。  当然アキトひとりでは管理しきれない上にする気もないので、それに関しては女性教師に丸投げしていた。 「今日は何だっけ?」  夜になり自室へ戻ってきたアキトは、顔の前に自身のスマートフォンを持ってきて尋ねる。  角が丸い長方形の画面には、眼鏡をかけた理知的な女性教師の顔が映し出されていた。  ふたりはビデオ通話中である。  女性教師が沈んだ表情でこう答えた。 ”今日はお風呂チャレンジよ…” 「元気ないな、どうした?」 ”ねえアキトくん、もう女性をおもちゃにするのはやめない?” 「なーに先生、オレに逆らっちゃう感じ?」
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