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第1章1
神々は人間達の事を蔑み人形と呼ぶ。
人形を使って遊ぶのは神々の最大の退屈凌ぎである。
行方不明になっていた戦神が神の国に戻って大神の地位に就いたのは一年前だ。
神々の間では戦神が神の国に戻ってきた事により、神の雫の半分は見つかったのだろうと結論付けた。
それによって激化していた神々の指示による人間達の争いは縮小したのだ。
ただ、神々は神の雫云々よりも人間達の激しい争い自体を好んでいた者も多く、争いが減った為に退屈する神も増えた。
そこに、戦神の神命が下った。
『各集落より沢山の戦士を仕留めた人形を出せ。その人形同士で戦わせ勝ち残ったたった一人の人形の集落を持つ神に褒美を与える。人形どもも本気を出させる為に、そうだな、我が妹を婚約者にしてくれよう』
神と婚約するという事は、人形ながらも神の縁者となり、神の国に住め、もしかすると神と同じくずっと若く老化せず、怪我をしてもすぐに治してもらえ、子孫も神の一員となり、食べるものや寝る場所にも困らない、そんな生活が待っているかも知れないという事だ。
神命はすぐに全土に拡まった。
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