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戦神は同じ過ちを繰り返す者は好まない。 故に、せっかく気紛れにチャンスやったのに初手と変わらず、正面から斬りかかってくるフェルムに興味が失せたのだ。 せめて苦しませずに留めを刺してやろうと、手刀で首と胴を切り離してやろうとしたが、神の放った一撃をただの人形であるフェルムは掠めただけで避け、唯一残った剣先を戦神の胸へと繰り出した。 しかし、切っ先は僅かに戦神の胸に刺さった程度で、直ぐに払い除けられ、衝撃で剣が折れてしまった。 すぐさまフェルムは初めに落とした剣を拾い、構えようとしたが、戦神の手が伸びてきて左肩を掴まれ骨を砕かれ、悲鳴をあげる間も無く首に伸びてきた手に締め上げられてしまう。 「…やはり、お前は殺すには惜しい男だ」 呼吸すら儘ならず、凶悪に輝いた冷たい目を見つめていたが、やがて意識は遠退き、肩の骨を砕かれて尚握りしめていた剣は手から滑り落ちていった。 「……ヴィア」 という声にならない呟きは、きっと誰の耳にも届く事は無かっただろう。
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