15 幼馴染 ※要人視点

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「仁礼木先輩は冷たいです! 私がここで、バイトしていても話しかけてくれないし。最近、付き合いが悪くなったって、みんな言ってますよ」  同じサークルで顔見知りなのに、何度も素通りされて、腹が立った――というところだろう。  さっさと商品を渡してもらいたいが、まだ話す気なのか渡さない。 「前はもっと明るくて、誰とでもすぐに打ち解けて……。同棲してる人がいるって本当ですか? しかも、高校生だって。先輩はもっと別の素敵な女性と付き合うんだって思ってました!」  俺と志茉のことが、どこかで噂になっていると知った。  それも、なにも知らない人間の悪意ある噂が流れている。 「その噂、どこで――」 「すみませーん。レジまだですか?」  ハッとして、喉元まで出かけた言葉を呑み込んだ。  後ろの客が声をかけなかったら、ひどい言葉を口にして、泣かせていたかもしれない。  後輩は慌てて、客に頭を下げて、俺が買った商品を手渡す。 「急がせてしまって、ごめんなさい。アイスクリームがあるんです」 「すっ、すぐにっ……」  後輩は慌てて、次の客に平謝りする。
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