15 幼馴染 ※要人視点

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「……大丈夫。学校にも通えるようになったし、私も独りに慣れていかなきゃいけないでしょ」  志茉は俺との関係を幼馴染に戻すつもりなのだとわかった。  もう戻れるわけない。  戻れないのに、志茉は幼馴染でいたいと願っている。   「私……。あの時、どうかしてたの。冷静じゃなくて、要人、ごめん……ごめんなさい……」 「……俺は謝らない。中途半端な気持ちで、志茉を抱いたわけじゃない」  志茉は涙をこらえ、俺にうなずく。  なにか志茉は、俺に隠しているが、それを話す気はないらしい。  頑固な志茉から、聞き出すのは難しいと知っている。 「俺がアパートにいると困るのか?」  志茉は再び、うなずいた。  噂を耳にしたか、それとも――視界の中に嫌でも入る仁礼木の家。  仁礼木が志茉を追い詰め、温情とばかりに、ほんの少し隙を残したのだろう。  志茉のためというより、俺を納得させるため、わざとそうしたのだ。  完全に引き離せば、俺が仁礼木を捨てるだろうと、父は考えた。  どちらも、こういうことには頭が回る。  けれど、今、志茉から引き離されるわけにはいかない。  
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