15 幼馴染 ※要人視点

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「俺は志茉の隣にいる。だから、いつでも頼れ」 「要人……ありがとう……」    志茉を失わないために、幼馴染のふりをするしかなくなった。  抱いてしまったら、二度と幼馴染に戻れないとわかっていた。  わかっていたはずが、あの時、志茉を抱かなかったら、どこか遠くに行ってしまいそうな気がした。  ――手に入れたつもりが、俺から奪う理由を与えた。  志茉は俺が今までどおり隣にいるとわかり、安心したのか、少し溶けてしまったアイスクリームを口にする。  やっと食べられるようになった志茉の心をこれ以上、苦しめたくなかった。  志茉は悪くない。    ――俺が悪い。  これは、さんざん傷ついていた志茉に、またひとつ傷をつけた罰。 「仁礼木には戻るけど、毎日会いに来るからな」 「うん……」  志茉の細い指に自分の指を絡めて、手を繋いだ。  眩しい夕焼けの光が、荒れた庭を照らしていた。  本当の家族になるには早すぎて、恋人になるには難しい。  幼馴染に戻るのが、俺たちが離れずに済む唯一の選択肢だった。    ◇◇◇◇◇
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