15 幼馴染 ※要人視点

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 ――志茉をどこへも行かせない。  あの日と同じ気持ちと同じ体勢。  違うのは、俺たちが大人だということだけだった。 「俺の家族は志茉だけだ。だから、言えよ。志茉を追い詰めたのは、仁礼木なんだろ?」  志茉の目から涙がこぼれた。  ここで、引いたら、この先はないとわかってる。  だから、俺は引かない。  言うまで待つ。  それがわかったのか、志茉は諦め、口を割った。 「仁礼木の家に呼び出されて……。要人に言ったら、アパートから出ていってもらうって言われたの……」  それは、わかりやすい脅しだった。  頼る人がいない志茉の境遇を考えて、言ったのは間違いない。 「要人と絶対に恋人関係にならないって、約束をさせられて、誓約書にサインした……。それが、私が要人のそばにいて、いい条件だったから」 「誓約書……。高校生の志茉相手にか」  俺の性格を考えてか、両親は用意周到に、志茉を呼び出したらしい。  高校生の志茉が、大人に囲まれ、言われたら拒めるわけがない。 「要人も大学生だったから……。どうにもできないわよ……」
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