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その美しい笑みにぞくりとして、感情が煽られる。
抵抗しようとした私に気づき、要人の指は肌の上を滑り、柔らかな双丘を撫で、敏感な突起を舌が押しつぶす。
緩やかな刺激だけを与えられていた私の体は、その刺激を強く感じ、身を悶えさせた。
繰り返し、舌から与える刺激に息を乱す。
「あ……、だ……め……」
私だけが乱され、要人はまだ冷静―――冷静なままに見えた。
「志茉。どうしてほしい?」
余裕の表情が悔しい。
でも、顔を見て、私は要人がなにを求めているのか気づいた。
一度も私の唇に、要人からキスをしていない。
「……ずるい」
「ん? なにが?」
恨めしい顔をした私に、要人は嬉しそうに笑う。
どんな顔をしても要人は、私が要人を見ると、こうやって笑うのだ。
私の視界に、自分だけがいることに喜んでいるのを私は知っている。
「志茉。もっと欲しいなら、ねだっていいんだぞ?」
――なんて、悪い顔。
ねだっているのは、要人なのに、本当にずるい。
至近距離で見る要人の瞳は、熱っぽく潤み、綺麗な顔に色気が滲む。
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