22 暗躍

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 ――両親はとても明るくて、仲が良かった。 『志茉(しま)要人(かなめ)君が好きだなぁ』 『やきもち?』 『うん。でも、要人君しかいないよ、志茉には』 『要人君にもね』  夢の中だったか、それは過去の記憶なのか、わからないくらいぼんやりしたもの。  でも両親は私を見て、笑って言ったのだ。 『志茉。幸せになって――』  そこで、目が覚めた。  ふとした時に思い出す記憶や夢を見た後、いつも泣いてしまう。  でも、今日は違う。  穏やかな顔で眠る要人の姿が目に入り、微笑んだ。 「おはよう、要人」  疲れているのか、要人は起きる様子がない。  昨晩の疲れだろうけど、すでに時計はお昼近く。  要人はぼうっとした顔で、私を見る。   「あー……朝か」 「昼よ。一度、起きたでしょ?」 「ああ、志茉を連れて風呂に入って……ぶっ!」 「それは言わなくていいのよ、言わなくて」  大きな枕を手に取り、枕で要人の顔を埋め、黙らせた。  本当に疲れているのか、要人が動かなくて、気になって枕をどかす。 「要人? どうしたの?」 「……いや、幸せだなと思ってた」  少しだけ顔を上げた要人の顔は、赤くなって見えた。
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