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「病欠届は出しておく。兄さんに診断書を書いてもらったから安心しろ」
手際が良すぎるし、犯人の確定も早かったのが、気になる。
証拠があったからこそ、このスピード。
ご飯を食べる手を止め、要人をじっと見る。
――絶対、なにかしてたわね。
確信を持って言った。
「要人。まさかアパートに、監視カメラなんて仕掛けてなかったわよね?」
「あったぞ。あのアパートはセキュリティが甘いからな」
「……そろそろ、自分が一番危険だってことを自覚したほうがいいわよ」
腕時計のGPSに続き、監視カメラ。身を守ってもらって、なんだけど、完全にストーカーである。
「他にも仕掛けてないわよね?」
私の問いかけに、要人は知らんぷりしていた。
でも、私は要人が箸でつまもうとした卵焼きが、皿の上に落ちていたのを見逃さなかった。
「ちょっと!? 答えなさいよ。都合が悪くなると、黙ってっ!」
「この家はまだ誰にも知られてないからな。安心しろよ。家から絶対に出るなよ」
「あ、あのね……」
「まあまあ。志茉さんを心配してのことですからね。大目に見てあげてくださいまし」
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