23 宮ノ入グループ

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 商才がある血筋なのか、今の今まで、親族以外が子会社の社長になることはなく、経営も順調。  その権力とコネクションは経済界にとどまらず、政治にも関わっているという噂だ。  つまり、首領(ドン)! 「恐れ多いどころか、恐怖よ……」  まさか、失礼を働いたら、命を狙われるなんてことは――高いビルを眺めて、ぶるっと震えた。  ありえそうだ。  「そんな緊張しなくてもいいと思うぞ」 「平凡なOL、木造アパートで穏やかに暮らしていた私に、そういう気休めはやめてくれる?」 「むしろ、話がわかる人間の部類だ」 「要人と同類なら、話がわかるかどうかはアヤシイところよ」  話し合いで解決なんていう平和的思考を持たないくせに、なにが話がわかるだ。  まったく説得力がなかった。  最上階の社長室があるフロアから見えたビル群は、白く見え、そのビルの高さが普通の会社ではないレベルのものだとわかる。  こんなビルの持ち主に会うかと思うと、緊張して、口から心臓が飛び出しそうだった。 「失礼します」  心なしか、要人の声もいつもより低く、表情も引き締まっていて、雰囲気が違う。
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