23 宮ノ入グループ

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 自信に満ちていて、堂々としていて、隙が一切ない。  ――これが、宮ノ入グループのトップ。  会長室の中央には、着物姿のおじいさんが杖を持って、黒革の椅子に座っていた。  そばには、スーツ姿の黒目黒髪の男の人が立っている。  二人とも落ち着いていて、どっしりしているイメージ。威圧感というか、貫禄がある。 「仁礼木(にれき)。扇田の件だが、すべてうまくいった。ご苦労だったな」 「いえ、宮ノ入社長」  黒髪で無表情の人が、宮ノ入グループの社長らしい。 「こちらこそ、母の件で、ご迷惑をおかけしました」 「気にするな。後はこちらがうまくやる」  もし、おばさんが放火したとわかれば、宮ノ入グループにとってもスキャンダルになる。  スキャンダルをうまくもみ消すか、誤魔化すか、宮ノ入の力を借りたのだとわかった。   「その娘が、結婚したい相手か」 「はい」  宮ノ入会長と要人が対峙する。  要人は笑顔だけど、私には龍と虎が戦っているようにしか見えない。 「沖重グループの経理課で、働かせていただいている倉地志茉と申します」 「ふむ」
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