24 放火犯の正体

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 ソファーに座り、八重子さんが作ってくれた水出しの緑茶と水羊羹を並べ、お喋りタイムの準備は万全。  電話するねと、先にメッセージを送っておいたから、恵衣はすぐに出てくれた。 『志茉。元気だった?』 「うん。恵衣は自宅?」 『そうよ。仕事が終わって帰ってきたところ。熱いコーヒー入れて、その上にホイップクリームのせて、一日の疲れを癒すつもりでいたのよ』 「冷凍したホイップクリーム?」 『そう』  恵衣は甘党で、ホイップクリームが大好きなのだ。  以前、ホイップクリームを心おきなく食べようと、ボウル一杯のホイップクリームを作った。  当然、一人で食べ切れず、無理して食べて寝込んだ。  それでも懲りずに、大好きなホイップクリームを安全に食べるには、どうしたらいいか私に聞いてきたのだ。 『前に志茉がホイップクリームを小分けして冷凍するといいわよって教えてくれたからね。それで、どうしたの?』 「会社の様子を知りたくて。なにか変わったことはない?」 『変わったこと? 志茉が秘書課へ異動になったことくらいかしら」  そんなこと一言も聞いてない。  要人は私が不在の間、止める人間がいないと思って、好き放題しているようだ。 『あ、志茉。結婚おめでとう。二人を高校時代から知ってるせいか、今更ってかんじだけど』
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