3 友人の忠告

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「でも、志茉の気持ちもわかるわ。この年齢から付き合う相手は、どうしても結婚を意識しちゃうから。高校時代とは違うわよね」  恵衣は隣で日替わり定食を食べたら、冷静になったらしく、要人の家柄や立場を思い出したようだ。  私たちも二十四歳になって、今年で二十五歳。要人は二十八歳になる。  純粋に恋愛を楽しんでいた頃と違って、いろいろ意識してしまう。  友よ、わかってくれたようねと、言おうとした瞬間、社食がざわついた。 「仁礼木社長よ!」 「どうして、この社食に?」 「役員達が食べる上階の社食じゃないの!?」 「隣にいるの、常務よ。案内されているみたい」  要人よりずっと年上の常務は、ハンカチで汗をぬぐいながら、社食の案内をしていた。  いつもなら、上の階の役員専用の社食でゆったりランチをしているのに、今日はそうもいかないらしい。  なにか難しい話でもしているのか、要人はにこりともせず、社食内のあれこれを指示している。  要人が私を見つけると、口の端を上げて微笑んだ。  こちらが怖い顔をして睨むと、私との約束を思い出したのか、要人は慌てて目を逸らした。
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