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4年前のあの日
桜舞う3月の卒業式。
この日、俺は18年間生きて来て、初めて告白された。
「最後だから言うけど、俺、幸喜の事が好きだったんだ」
「へ…?」
不意打ち過ぎて間抜けな声が出た。
告白が初めてなのもあるし、相手が同性なのもあるし、何より3年間の思い出に浸りながら他愛の無い話をしていた旭が突然真剣な顔をして告白をして来たのだから、混乱しても仕方がない。
「俺は県外の大学だから、もう会う事もほとんど無いだろうし、言っておこうと思って。
俺の気持ちを知ったからって幸喜が悩む事は無いから。
俺の中でちゃんと整理するし、もしこのまま友達のままで居てくれるなら、お互い別の道に進んでもたまには遊ぼうぜ」
ニッ!と屈託の無い笑顔を見せて言う旭につられて、まだぎこちないが笑顔を浮かべ
「分かった。お互い大学違うけど遊ぼうな!」
俺は、そう言った。
……そう言ったのに、アッと言う間に4年の月日が流れ、その間、一度も俺達は連絡を取り合う事は無かった……。
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