君って光だったの?

1/1
前へ
/8ページ
次へ

君って光だったの?

 あれから。世間では新型コロナウイルス感染者が激減していた。ワクチンと治療薬のお陰である。 「蒼(アオ)、今日はこの水流プールで泳がないの?」 「今日はお休みするのである!」 「お休み?・・どうして?」 「どうしてって・・菜々緒ちゃんがお休みだから・・」 「馬鹿ね、私は振替でお休みなの! アオのオンラインスイミングとは関係ないでしょ⁉ ほら、早く水着に着かえないと、今日は紺田サヤカちゃんがコーチよ」 「あっそうか、今日はあのカワイ子ちゃんか・・ヨシッ!」 「ゃだ、アオたら!こんなところで着かえないでよ! 脱衣所に行ってよ!」 「やっぱり今日は寒いから、サヤカ先生じゃなく菜々緒先生にする!・・行くぞ!よいしょっと、重ぅ‼」  俺は菜々緒をお姫様抱っこしたままベッドルームに足を運んだ。 「ゃだ、こんな明るい昼間から・・水流プールのむこうでサヤカが探すわよ!」 「大丈夫だよ!まさかオンラインだからって、サヤカちゃんがしない限りはそりゃ無理・・⁉ そう言ゃあの夜のことだけどさ、菜々緒(ななお)って何処(どこ)から俺の部屋に入って来たの?・・このマンションってオートロックなんだけどな・・エッツ!まさか⁉・・」  そう呟いた時、俺の腕の中の菜々緒も呟いていた・・ 「ばれたか!・・オンラインって便利よね、蒼(アオ)!」 ―終わりー
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加