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君って光だったの?
あれから二年がすぎた。世間では新型コロナウイルス感染者が激減していた。ワクチンと治療薬のお陰である。
「蒼(アオ)、今日はこの水流プールで泳がないの?」
「今日はお休みするのである!」
「お休み?・・どうして?」
「どうしてって・・菜々緒ちゃんがお休みだから・・」
「馬鹿ね、私は振替でお休みなの! アオのオンラインスイミングとは関係ないでしょ⁉ ほら、早く水着に着かえないと、今日は紺田サヤカちゃんがコーチよ」
「あっそうか、今日はあのカワイ子ちゃんか・・ヨシッ!」
「ゃだ、アオたら!こんなところで着かえないでよ! 脱衣所に行ってよ!」
「やっぱり今日は寒いから、サヤカ先生じゃなく菜々緒先生にする!・・行くぞ!よいしょっと、重ぅ‼」
俺は菜々緒をお姫様抱っこしたままベッドルームに足を運んだ。
「ゃだ、こんな明るい昼間から・・水流プールのむこうでサヤカが探すわよ!」
「大丈夫だよ!まさかオンラインだからって、サヤカちゃんが光に変身しない限りはそりゃ無理・・⁉
そう言ゃあの夜のことだけどさ、菜々緒って何処から俺の部屋に入って来たの?・・このマンションってオートロックなんだけどな・・エッツ!まさか⁉・・」
そう呟いた時、俺の腕の中の菜々緒も呟いていた・・
「ばれたか!・・オンラインって便利よね、蒼(アオ)!」
―終わりー
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