いじめてみたい

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教室までの道のりを、わたしはどしどし大きな足音を立てながら歩いたせいで、既に来ていた友人の吉野に笑われながらおはようと言われた。 「どしたん? また、挨拶してもらえなかったの?」 「うん……もう、本当にムカつく、あいつ」 「マコの声が三木センには聞き取りにくいだけなんじゃん?」 「いや、意味わかんないし! 別に、小さい声で言ってるわけじゃないし、生徒会の子たちからは返してもらえるのに」 「そもそも意識しすぎなんだよ。マコ、三木センのになりたいとかじゃないんでしょ?」 「それは、そうだけど……」 「なんならさ、この一週間は遅刻してくれば?」 「できることならそうしたい……」
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