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結局、わたしの体調が全快したのは金曜日……挨拶強化キャンペーンの最終日になってからだった。
「おはようございまーす」
「おー、おはよう」
相も変わらず、三木はわたし以外にはにこやかな表情を見せる。
「…おはよう、ございます」
「……」
わたしの挨拶にやっぱり三木は返してくれなかったけれど、先日の言動から、わかったことがある。
三木は、おとなのくせに、先生のくせに、子どもだということ。
わたしに冷たくあしらう、その先には愛情が見え隠れしていた。
逆に、かなりずるいところもあった。昨日、先生からは手を出さないって予防線を張った。こういうところはおとなのやり口だ。
これまで何度もあった挨拶強化週間のとき、三木はわたしにいじわるしてきたんだから、お返ししてもいいよね?
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