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「……三木先生、いますか?」
放課後、教員室へ行って、出入り口からいちばん近い先生にそう訊ねる。
「あぁ、三木先生ならそこに」
そう言って、三木が座っている方を向いて教えてくれた。ありがとうございます、とお礼を言って、わたしは中に入る。
「先生、ちょっと教えてほしいことがあるんですけど」
机に向かって仕事している三木の側まで行き、わたしはそう訊いた。
「…なんだ、今、忙しいから手短に……」
"いいんですか? 先生という立場を利用して、わたしの家にまで押しかけてきたこと、ここでバラしますよ"
先生にしか聞こえないくらいの声でそう言うと、仕方ないという反応をして立ち上がり、教員室を出てひと気のない校舎の階段の踊り場までやってきた。
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