メタるファンタジー

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 「ぴえんが丘どすこいの助だわ」  これは俺の物語がはじまる前のはなし。  ある日、交通事故に遭い、俺は自宅でやっていたゲーム「メタるファンタジー」の世界に転生してしまう。 たぶん、リアルは大変なことになっているんだろう。息子が事故で意識不明になったとお袋が泣きわめき、親父は親父で涙をぐっと堪えてる筈だ。元の世界にもどるには、病院でAEDをあてて強制的に現実世界にいくしかない。 早く意識を取り戻して、親父とお袋を安心させてやりたいが、このゲームはそうさせてくれるほど甘くはなかった。 転生する前にこのゲームのルールは大体把握していた。ダンジョンへ潜り、モンスターを倒し、アイテムを集め、でまたダンジョンへ潜るのを繰り返すのだが、地下に潜れば潜るほど戦うモンスターが強くなってくる。そこで殺られても、中間地点からやり直せるのだが、それは俺以外のプレイヤーに限られる。  俺は、殺られたら即死だっ!  そこで俺はこのゲームで生き残る戦略をたてることにした。 ミニゲームで稼いでミニゲームで食べていきミニゲームで生きていこう。そしてミニゲームを極めるんだ。何故ならミニゲームは失敗しても死亡しないから、失敗を恐れずにできるからだ。 一念発起した俺は、ミニゲーム専属のぼっちプレイヤーになった。そして俺の物語は、始 まった。
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