メタるファンタジー

　探索用ドローンを手放した時だって、俺はミニゲーム専攻のぼっちプレイヤーじゃあなくなった......訳じゃない！
　寧ろ何も変わってないじゃないか。
　ミニゲームの景品を手放しても、俺が俺でなくならないなら、ラジコンカーもダンジョン探索に使ってやる。俺は、ラジコンカーを使って攻略に役立ててみた。
　「さあ、メタボスライムどもダイエットの時間だ。みっちり絞ってやる！」
　滑らかな動きと、ダンジョンの起伏では転倒しない丈夫なタイヤのラジコンカーがメタボスライムの間を縫うように走る。これで日頃の運動不足を解消しやがれ！
　「って、あれ？　反応、してない？」もしかして外れアイテムか。
　「組み立てたらよくね？　ミニゲーの景品は組み立てて作ったんなら、できるぽいんだけど」
　確かにそうだ、俺は「ミニゲームの景品を一つ一つ組み立てて作った」とコメントしたんだ。ペコルン、ナイスなアイデアをくれるじゃないか。
　「そうだな！」
　「ぽくない？」
　「ぽいよな！」
　「ぽいべよ？」
　「ぽいべ、じゃあアイテム合成だ。ラジコンカーと生ゴミを合成して使ってみよう！」
　ラジコンカーのアンテナに、生ゴミをくっ付けて走らせてみる。メタボスライムが入れ食い状態でゴミのついたラジコンカーを追いかけはじめた。