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 焦る必要はない。  此処で『何か』を見付けられれば良いだけだ。  数分間ぼおっと、何処に視点を合わせるでもなく過ごした。  都会の喧騒に慣れた荒祭には静か過ぎて、現実の時の経過よりも長く感じた。    キャノンのミラーレス一眼で木々ばかりの風景を試し撮りしてみた。  何か写り込んでいたら面白い。  一応、此処が心霊スポットである事を思い出して一人笑いをする。  村の老人の言葉を思い出した。 「迷っても選べる」  幽霊の正体見たり枯れ尾花。  老人は本当に存在したのか。  木々に囲まれた人気の無い山にいると、今まで見た事全てが錯覚だったのでは無いかと疑惑さえ生じる。  
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