スタートライン

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海人から送られてきた内容を確認すると、俺にしか送ってないみたい。 あのやろう、福本さんに教えろって言ったのに。 やっぱり海人にとって福本さんは脈なしなのか? まあいいや、とりあえず俺があとで伝えとくか。 一度はスマホを握るも、さっき話を中断したことが悪かった気がしたので直接伝えることにした。 福本さんの席は廊下側で俺はその反対側なので、放課後部活行く前に声をかければいいか。 本日最後の授業終了のチャイムがクラスに鳴り響き、ホームルームも終わってみんな帰り出す。 俺はすぐに立ち上がると、福本さんの元へ駆け寄った。 「福本さん、海人に聞いてきたよ。」 「ありがと。」 「ドーナツとシュークリームだって。」 「ドーナツとシュークリームね。わかった。わざわざごめんね。」 福本さんは授業とは別のノートを取り出してそこに書き込んだ。 よく見えなかったけど、お菓子ノートとかな? 「日下くんはなにが好きなの?」 「俺?俺は・・なんだろう。」 そういえば、昼休みも俺と海人の二人聞かれたんだけど、忘れてたよ。 好きなお菓子か~好きなお菓子。 なかなか思い付かない。 「なんか今思いつかないや。思い付いたら連絡するよ。」 「もしかして日下くんって甘いもの嫌いなの?」 軽い感じで後でと言ったのだか、福本さんは心配そうな表情をしていたので、申し訳なく思い慌てて返答する。 「全然そんなことないよ。むしろ大好きだよ。けど何が好きかと言われたら思いつかないだけだよ。絶対後で伝えるから。海人のやつも甘いもの好きだから大丈夫だよ。」 なんか急に悪いことをしたから弁明しているみたいになってしまった。福本さんはきっと今までお菓子をプレゼントしていたのが実は相手にとって嫌いなものだったらどうしようかと不安になったのだろう。まあ不安になるような答え方をした俺も悪いんだけど、まあフォロー出来たでしょ。 ちゃんと海人の情報も織り込んでおいたし。 「じゃあ思い付いたら教えてよ。」 「了解。んじゃまた明日ね。バイバイ」 「バイバイ。部活頑張ってね。」 俺は部活のバッグを肩にかけて福本さんに手を降りながら教室を後にした。 いつもはこのままグラウンドに向かうのだが、今日は月一回の長距離集会の為、集会場所の被服室へと向かう。 なぜ陸上部なのに被服室を使うのかと言うと、顧問の先生が家庭科の先生なので、他の教室より許可がおりやすかったのだ。
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