6.まちがえていた正解

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思い描く未来の話をしたら、それを捨てて一緒に死んでほしいと言われたこと。 一緒に海に入って、本気でそうしようとしたけど、泣いてしまって、晴臣先輩がやめようって言ってくれた。 ばかだなあって、あんなに優しく言う人を他に知らない。 明日一緒に帰ろうって思っていたのに、警察が来た。 晴臣先輩はとうとう叶えたんだって思ったのに、叶えられていなかった。泣いていた。苦しそうに、くやしそうに、悲しそうに。 どうやってそうなったらいいかわからないけど、味方でいたい。今でもそう思っている。 ……もう一度、ちゃんと、正面から会いたい。 そう思っていること。上手く話せた自信はないけど、ぜんぶ言った。高薮くんは優しく涙をぬぐってくれた。 「会いにいけばいいよ。行っておいで」 「でも、いいの?」 「うん。もう仕方ないよ。もう遅い。俺は前からあの先輩を想ってる、盲目なくらい直向きで素直な槙野に惹かれてたんだから」 「待って、高藪くん、わたしは……」 晴臣先輩と一緒にいるのに、高薮くんの笑顔の夢を見たの。変化した感情もある。きみのことをちゃんと好きだった。ありがとうって何度も思ったし、今だってそう。 自分の気持ち、まわりの人の気持ち、たくさん気づけた。 「槙野はあの人のこと、もう好きとかじゃないんだ」 この人はわたし以上にわたしを見ていてくれた。 「うん……あいしてる」 どうにかなりたくて、なんて、最低なことを言った。 「はは、気づいた?」 「ごめ……ごめんなさい…っ」 酷いことをしてばかり。 それでも優しく、背中を押してくれる。
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