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 最後に微笑みと共に言葉を紡ぐと、葵が言い終わらないうちに冬音が抱きついてきた。そうして顔を見つめると、今度は確かな意思を持って唇を合わせる。酔った勢いでもなく、熱にうなされ朦朧とした記憶の中でもない、お互いに気持ちを確かめ合うような抱擁と柔らかな口づけ。  焦がれる愛し、そして同じように愛されることが、こんなにも心をほぐすことだったなんて。 「葵ちゃん、大好き」  呼吸の合間に漏らされるそんな言葉が、これほどに嬉しいことだったなんて。 「冬音、大好きだよ」  今恋人同士になったとは思えないような、甘い時間を過ごしていると、だんだんと冬音が探るような手つきで葵の体を撫で回してくる。  や、さすがにそれは……。  ホックに手を掛けたとき、葵はその手をチョップで振り落とした。  さすがの冬音も、驚いた顔で固まっている。
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