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「あ、えっと、ごめん、勢い余ってつい……」
ベタ惚れしていると、そんな言い訳も可愛いと思ってしまう。
だがまだ冬音とは話したいことがたくさんある。それにこの時間、えっちなことをしている場合ではない。
「ま、まだ聞きたいことがあるの。……嫌だったわけじゃないんだからね」
「……ありがと。何? 何でも答えるよ」
言葉の間から、葵を大切にしていることが伝わってくる。好きだからと無理矢理に迫ってくるわけではない、葵を本当に大事にしてくれて、愛してくれていることに、心はまた満たされる。
「あのね、冬音の配信のことなんだけど」
「そうだ、それについても僕から伝えなきゃいけないことあるんだ。えっと、お先にどうぞ」
冬音は抱きついていた葵から離れ、居住まいを正した。
「冬音はさ、ふぅくんだったんだよね?」
その言葉は予想済みだったのか、冬音はさして驚くこともなく頷いた。
「……私さ、ふぅくんのリスナーさんだったんだよね」
「うん、知ってる」
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