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 意を決して発した葵の言葉に、冬音はまたしても驚かなかった。むしろ驚かされたのは、葵の方。  ……嘘? 何で……? いつ、どこから……。  葵のうろたえぶりが可笑しかったのか、冬音は声を上げて笑っている。「いつ気づいたと思う?」という冬音からの問いかけに、葵は答えられない。ふぅくんのことを推しているとバレた心当たりはなかったから。 「実はね、最初の最初、僕が初めて葵ちゃんに会ったときからだよ」 「――最初って、冬音が挨拶に来たときってこと?」  冬音は笑ったまま頷いた。  そんな最初から……。葵はなんとも言えない恥ずかしさで顔を赤くする。  でも、どうして?  その質問の答えは、冬音が自ら教えてくれた。 「葵ちゃんってさ、玄関先にここの鍵置いてるでしょ? その鍵にさ、僕のグッズのアクリルのキーホルダーついてるよね?」  葵ははっと息をのんだ。そして冬音の脇をすり抜け、玄関先のキーラックを覗く。  たしかにそこには、部屋の鍵と共にふぅくんのキーホルダーが見えた。  盲点ッ……!  葵はその場に膝から崩れ落ちた。そんな葵の背後に届くのは「ね、あったでしょ?」となぜかやや勝ち誇ったような冬音の声。  くそぉ、最初からバレてたなんて……。  ゆっくりと立ち上がった葵は、ふとあることに気づく。
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