第5話

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あの日あった一連の出来事を近藤君本人から 聞いた私は只々驚いた。 事故にあって、野球をやめて、 心を閉ざした近藤君。 浮かれて、彼を問い詰めてしまった私。 なんて事してしまったのだろう。 「近藤君、ごめん…。 自分のことしか…考えてなかった。 あの日私が気づいてれば良かったんだ。」 泣くのを耐える。 私が泣いてどうするの! 「いや、違う。音川さんは悪くない。 ただ僕が言いたいのは、今の僕は みんなに嫌われるだけのサイテーな奴 なんだ。だから俺と関わらないでほしい。 後悔するのは音川さんだ。」 嫌だよそんなの…。 一生懸命かぶりを横に振る。 「近藤君のあの笑顔は本物だった。」 「え…?」 「私は近藤君のあの笑顔がもう一度見たい。 私が近藤君の笑顔を取り戻す!」 パッと私は顔を上げる。 「は⁉︎本気…?」 「うん!私は近藤君と関わるから!」 あ、またやってしまった…? 「…音川さんって変ややつ。」 近藤君がクスッと笑った。 おぉ!この調子だ! 「ねぇ近藤君、提案があるんだけど。」
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