第6話

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「近藤くん…」 不意に声をかけられて振り向く。 ぼーっとしてた…。 「あ、な、何?」 「クイズです!これの名前を当てて下さい!」 あ、これ…! 俺が見せられたのは、 黒くて木みたいで、 複雑に金具がついた楽器だった。 そう、これはきっとあの日音川さんが 吹いていた楽器だ! えーっと。 なんとかネット… 「あ!分かった!カスタネット!!」 「ぷっっ…」 音川さんは吹き出したかと思ったら、 高らかに声を上げて笑い出した。 「クラリネットだよ!あははっ! 近藤くん前もカスタネットって言ってた!」 「そういえば…」 「なんだか懐かしいねー いい思い出だよ。」 いい思い出ねぇ… うーん。俺が押し黙ると音川さんは いきなり立った。 そして、大きく息を吸い込み、 クラリネットとやらに口をつけた。
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