第8話

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「虹葉ーーー!虹葉ーーー?」 体育館裏で声を張り上げる。 人通りの少ないここにはいないとは思ったが、 もう学校中探しても見つからなかったから、 ここしか思いつかなかった。 すると、 「…り……く…」 「え?」 今…呼ばれた気がした。 思わず後ろを振り返る。 「虹葉??」 「り、く…」 虹葉だ! どこ?どこにいる? 廊下の奥まで走り抜ける。 果たしてそこに、虹葉はいた。 ゴミ箱の後ろにうずくまって、 顔をうずめていた。 目が腫れている。顔を覗きこんで言う。 「虹葉…?どうした?」 「凌空ぅ〜…。私、吹部に入っちゃいけないのかなぁ?凌空と喋っちゃいけないのかなぁ?」 何を言ってるんだ? 「ゆっくり話して?」 「うん…。」 そして俺らは5時限目をサボって、 ゆっくりと話しを聞いた。
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