ケース5️⃣ 前世宿縁

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その時、叶恵が勢いある声で、二人の女性に語りかける。 「あのさ。あなたたち二人とも、まだ若いんでしょ! 人生これからでしょ!」 唖然とした様子で顔を上げる女性二人。 「私が見た占いでは、・・まず、あなただけど。」 叶恵が、片方の女性を見て言った。 「この辛い時期を頑張って乗り越えれば、2年後に、凄く良い男性と出会えるわよ。」 「え〜〜〜⁈ それ、本当ですか⁈」 女性は今まで以上に、驚嘆の声をあげる。 「よ〜し! 私、それまで頑張ろ!」 「そして、あなた。」 続けて、叶恵はもう一人の女性を見る。 「あなたは、今までの資格を取ってきた事と、頑張り屋の性格が認められて、望んでいた美容関係の仕事に就く事が出来る。」 「え〜‼︎ 本当ですかあ⁈」 こちらもまた、店の外にまで響く程叫んだ。 「何か、未来が明るく照らされてるって感じね〜。」 「私たち、まだまだこれからよ。」 二人の女性客は、お互いに手を取り合うように喜び合っている。 叶恵は、その光景を微笑ましく見ていた。 そこで再び、一人の女性が叶恵に言う。 「あ、じゃあ、もう一つ。将来どんな所に住んで、どれぐらいお金持ちになってるのか、見てもらっても良いですか〜?」 「ああ、確かに。幸せならアパートでも良いけど。出来ればマイホームを持ちたいわよねぇ。」 叶恵は苦笑いしながら、困った表情で答えた。 「あなたたち、それぞれタコ焼き一皿だけ注文して、よく一時間以上も店に長居出来るわよね。まあ、・・・良いけど。」 そうして、叶恵が改めて占おうとした矢先、店の外から声が聞こえる。 「御免くださ〜い。」 その途端、叶恵は意地悪そうに二人の女性に笑いかけるのだった。 「お客さんだ〜、残念。また次来た時、占ってあげようね〜。」 それを聞いて二人の女性は、渋々カウンター席から立ち上がる。 「え〜! タイミング悪い〜。」 「次、いつ来れるかな〜。」 叶恵は、店先に来た客を対応する為、窓口から外を見た。
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