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程なくして、タコ焼きが出来、二人の皿に盛り付けられていく。
「はい、おかわりのタコ焼きで〜す!遠慮なく食べて〜!」
二人の刑事は、再びタコ焼きを食べはじめた。
そこで叶恵が、得意げな顔をして告げる。
「タコ焼きだけでは、不足だと思うので。実は私、占いも出来るんですよ!今回は、お二人を特別に占ってあげましょう〜!」
「は? 占い? あの、俺たち刑事だから、そんなオカルト的なトリックは信じてないんだよね。どちらかというと、詐欺のその種明かしを突き止めるのが本職だしね。」
江戸川が、嫌味な顔をして言い返した。
それに対して、叶恵は不本意な事を言われ、ムキになってくる。
「私の占いがインチキって言うの⁈ インチキかどうか、じゃあまず江戸川さんから占ってあげるわよ。」
「お好きに、どうぞ。」
江戸川はタコ焼きを食べながら、堂々とした態度で言った。
二人の前に立った叶恵が、先程とは少し違う雰囲気を醸し出して告げる。
「私の占いは、その人のご先祖に問いかけて教えてもらうの。まあ、そんな事はどうでも良いね。さっさと占いをはじめましょう。」
叶恵は更に鋭い目つきになり、江戸川の目を見つめる。
動じない態度で、叶恵を見返す江戸川。
そして叶恵は、江戸川の事をじっと見つめ続ける。横の松田は、構わずタコ焼きを食べ続けた。
少しして、叶恵はまた自分だけ納得したかのように、
「・・うん、うん。」
と独り言を言う。
「一人で頷いてないで、どうなんだよ。」
江戸川が、強気の口調で問いかけた。
叶恵が一呼吸おいてから、話しはじめる。
「まず、江戸川さん。」
タコ焼きを食べながら、叶恵の発言を待つ江戸川。
叶恵の口から告げられていく。
「江戸川さん。名前は、江戸川・・・・・・仁《じん》ね。」
そこで江戸川は、嘲笑するかのように言った。
「それ? そんな下の名前なんて、誰かに聞いたか調べただけだろ。」
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