ケース5️⃣ 前世宿縁

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叶恵は占った内容を話し続けた。 「年齢は、・・25。血液型、B。神奈川県で生まれ育った。元々、モデルの職業に就きたかったが、合格出来ずに断念・・。」 その時、江戸川が少し焦った様子で叶恵に言う。 「だ、誰がそんな事を話したんだ? 誰から聞いた⁈」 叶恵は余裕の表情をして、少し意地悪になった。 「そして・・、必死に努力して警察学校に行って警察官になり、交番勤務で認められて現在の刑事課に所属する。 性格は、勝気で負けず嫌い。ワガママの部分もあり。好きな色は、青。趣味は、音楽鑑賞とスポーツ観戦。ショッピングも好きね。あと・・好きな食べ物は・・。」 「もう、良いよ! そんなダラダラと俺の事を勝手に作り上げて!」 江戸川が、不機嫌な様子で話しを止めた。 しかし叶恵は、それに負けじと語り続ける。 「まだよ。それに、私の占いはどうせインチキだから、言ってる事は全部当たってないんでしょ?」 松田はタコ焼きを食べながら黙って見ていたが、叶恵は江戸川の方へ話しを加えた。 「あと・・独身。半年ぐらい前まで、女性とお付き合いしていたわね。あら? ・・お相手は同じ所轄の婦人警官さん。名前は・・。」 「もう、いいー‼︎ もう、分かったー‼︎」 突然大声で遮るように、江戸川が叫んだ。 腕組みをし、得意げな表情で見返す叶恵。 横にいた松田が、低い声でポツリと呟いた。 「へぇ〜、そうだったのか〜。俺は知らなかったな〜。」 江戸川は、気まずそうな顔をして俯く。 叶恵が言葉を続けた。 「これでも、インチキ占いなの? まだインチキっていうなら、まだ話し続けるけど。」 「分かったよ。インチキ占いじゃないよ。俺が悪かったよ。謝るから、もういいだろ。」 江戸川は悔しさを馴染ませていたが、すっかり面食らった様子で降参する。 「もっと、時間をかけて見れば、もっとたくさんの事が分かるわよ。」 叶恵が更に、追い討ちをかけた。 「インチキじゃないって、もう分かったから。松田さん。もう助けてくださいよ。」 江戸川は、松田の方へと懇願する。
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