1人が本棚に入れています
本棚に追加
2.採点!
「ありがとうございました~!」
「ありがと~!」
沙弥と明穂。二人揃って、ぺこりとお辞儀。
ここは沙弥の自宅。そして、目の前にはギャラリーかつ、審査員である親友が二人いた。
智夏と緒美という、お決まりの四人組。つまりは『チームSATOさん』な人達がいたのだった。
「どーだったかなー? 短めにまとめたつもりなんだけど」
沙弥は結構自信満々。手応えは十分。しかし……。
「そうね。三十五点、といったところかしら?」
緒美は静かに目を伏せながら、そう言った。
「低っ! おみおみさん、評価辛口すぎっ!」
「それはそうよ。子供向けの漫才で、相方のことをペット呼ばわりはないでしょ? リードで繋いで、お散歩でもするつもり?」
淡々と、その理由を説明する緒美。
「そ、そうだね。ちょっと、表現が過激だったかも?」
智夏もそう指摘する。
「それに。どっちがボケでつっこみ役なのかも、よくわからなかったわ」
緒美は、更に続ける。
「男らしいだの女らしいだのというネタは今時、ネットの面倒くさい人達からの、無粋なつっこみをもらう隙になるというものよ。気をつけた方がいいわ」
「ちぇー。しゃあない。んじゃ、ちょっち脚本を変更するっすよ」
厳しいながらも、ご指摘はもっともだ。沙弥は謙虚に頷いた。
「ねえねえ沙弥ー。それはそうとさ。沙弥が言う女子力って、結局何なのさー?」
明穂が沙弥に問う。結局わからず終いで、気持ちがもやもやする。
「よかろう明穂くん。ならば教えよう。私が言う女子力とはだね……。これだ! 見たまえ!」
「!?」
その瞬間。
むにょんっ!
柔らかい何かに力が加わり、歪んだような音がした。
沙弥が、この四人組の中で最も発育のいい智夏の胸を、背後から思いっきりもみもみっと鷲掴みしていたのだった。
「ひゃあああああああああああああっ!?」
目を見開いて叫ぶ智夏。
「ちょっとおおおおおおおおおおおっ!?」
叫びつつ、沙弥の愚行を止めようとする明穂。
「ふはっはははっ! 女子力とは! ともともちゃんのようなビッグおっぱ……おぷすっ!」
「そこまでよ」
すぱぁんッと、乾いた音。
西野家備え付けのハリセンが、沙弥の後頭部にクリティカルヒットしたのだった。
攻撃者はもちろん緒美だ。
「やめましょうね? そういうこと」
忍者のような早業を見せつつ、沙弥ににっこりと笑いかける緒美。とっても怖い。威圧的な笑顔だ。
私の智夏に何してくれてるの? とでも言いたそうだ。
「あい……。お、おっきなおっぱいと見つけたりと、思ったんですけどね~。ぐふっ」
最初のコメントを投稿しよう!