2.採点!

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「ありがとうございました~!」 「ありがと~!」  沙弥と明穂。二人揃って、ぺこりとお辞儀。  ここは沙弥の自宅。そして、目の前にはギャラリーかつ、審査員である親友が二人いた。  智夏(ともか)緒美(おみ)という、お決まりの四人組。つまりは『チームSATOさん』な人達がいたのだった。 「どーだったかなー? 短めにまとめたつもりなんだけど」  沙弥は結構自信満々。手応えは十分。しかし……。 「そうね。三十五点、といったところかしら?」  緒美は静かに目を伏せながら、そう言った。 「低っ! おみおみさん、評価辛口すぎっ!」 「それはそうよ。子供向けの漫才で、相方のことをペット呼ばわりはないでしょ? リードで繋いで、お散歩でもするつもり?」  淡々と、その理由を説明する緒美。 「そ、そうだね。ちょっと、表現が過激だったかも?」  智夏もそう指摘する。 「それに。どっちがボケでつっこみ役なのかも、よくわからなかったわ」  緒美は、更に続ける。 「男らしいだの女らしいだのというネタは今時、ネットの面倒くさい人達からの、無粋なつっこみをもらう隙になるというものよ。気をつけた方がいいわ」 「ちぇー。しゃあない。んじゃ、ちょっち脚本を変更するっすよ」  厳しいながらも、ご指摘はもっともだ。沙弥は謙虚に頷いた。 「ねえねえ沙弥ー。それはそうとさ。沙弥が言う女子力って、結局何なのさー?」  明穂が沙弥に問う。結局わからず終いで、気持ちがもやもやする。 「よかろう明穂くん。ならば教えよう。私が言う女子力とはだね……。これだ! 見たまえ!」 「!?」  その瞬間。  むにょんっ!  柔らかい何かに力が加わり、歪んだような音がした。  沙弥が、この四人組の中で最も発育のいい智夏の胸を、背後から思いっきりもみもみっと鷲掴みしていたのだった。 「ひゃあああああああああああああっ!?」  目を見開いて叫ぶ智夏。 「ちょっとおおおおおおおおおおおっ!?」  叫びつつ、沙弥の愚行を止めようとする明穂。 「ふはっはははっ! 女子力とは! ともともちゃんのようなビッグおっぱ……おぷすっ!」 「そこまでよ」  すぱぁんッと、乾いた音。  西野家備え付けのハリセンが、沙弥の後頭部にクリティカルヒットしたのだった。  攻撃者はもちろん緒美だ。 「やめましょうね? そういうこと」  忍者のような早業を見せつつ、沙弥ににっこりと笑いかける緒美。とっても怖い。威圧的な笑顔だ。  私の智夏に何してくれてるの? とでも言いたそうだ。 「あい……。お、おっきなおっぱいと見つけたりと、思ったんですけどね~。ぐふっ」
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