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「···講義時間が90分って···殺す気か大学は···。」
何も知らないで入学したのか···。
と、一瞬思ってしまうようなことをつぶやいた蓮。
午前の講義が終了と同時に昼食を食べるため皆一斉に食堂やら弁当やらで教室から出て行く。
「黒木、飯食いに行こ。」
蓮は席を立ち黒木に食堂に行こうと誘った。
俺は、少し人気が無い場所に行きたくなり席を立つ。
「赭岐君も一緒に食堂行こう!」
···はぃ??????
黒木が俺を食堂へと誘ってきた。
「···俺は···いい···。」
断るのは勿体無いのは分かってる。
けど、蓮の視線がさっきよりも突き刺してくるのが目を合わせなくても分かった。
蓮と目を合わせたら間違いなく·····
「お昼ご飯食べないの?」
黒木が心配そうに聞いてくる。
「···食べる···けど···。」
頼むから察してくれ····!
「僕お弁当なんだけど赭岐君も?」
違う!弁当とかそういうんじゃなくて···!
「おい!」
蓮が痺れを切らして俺に近付いてきた。
恐怖から身体が動かず顔も上げられない。
蓮が俺の両肩ら辺をガシッと掴み俺の身体を正面に向かわせた。
一瞬蓮の目を見た瞬間、蓮が口を開く。
「お前なぁ~~!黒木が誘ってやってんだから有りがたく、行きます!と言え!!」
いや、行けるなら行きたいけどそれを喜ばないのはお前だろ···蓮。
「何で俺の知らないとこで仲良くなってんだよ···。」
·····え?蓮····泣いてる···?
「···お前、黒木に何かしたら漬け込むからな···。」
蓮は決して悲しいわけじゃない。
ただ単純に···悔しいだけだ。
「昼休み時間過ぎちゃうよー?」
黒木に急かされ、蓮に憎まれ、もう行かなきゃいけない流れになり一緒に食堂へ···。
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