友達とは······

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入学式の会場近くまできた頃、イヤホンをしていて気付かなかった。 「一体何処に閉まったんだよ!」 「んーっとー···この辺かなぁー??」 後ろから二人組が近づいていた。 「ったく!カバン貸せ!俺が探すから!」 「やだぁ~!自分で探すー!引っ張らないでよ!」 俺の横から二人が通ったのが見えた。 「うわわっ!!」 と、同時に一人の腕が勢い良く俺の脇腹にぶつかった。 一瞬よろめいたけど···そんなに痛くなかった。 「ご、ごめんなさい!!」 腕をぶつけた一人が俺に慌てて近づいてきた。 一瞬目を見た時、凄く綺麗な瞳の色をしていた。 青い。でも透き通るような色。 けど、直ぐ目を反らして返事をした。 「···大丈夫。」 俺は体勢を整えてまた歩き出そうとした時。 「感じ悪ー。黒木、あーゆーのと友達になるなよ。【金】で何でも解決する感じの顔してるから。」 一瞬足がすくんだ。 どうして見た目で決めつけられるんだろう···。 目を合わせられないのも··· 上手く話せないのも····· 「蓮君、見た目で人を判断しちゃ駄目。」 その言葉が何故か頭から離れなかった。 歩き出した俺の後ろから楽しく会話する声がイヤホンの音を越えて耳の中で響く。 俺と同じ入学式会場に向かっていた。
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