友達とは······

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丁度レジで会計し終わって直ぐに黒木は休憩時間に入ってコンビニの裏で少し話をすることになった。 「赭岐君、これあげる~。」 手渡しされたのは···少し大きめのエクレア。 このサイズだとかなり高いんじゃ··· 「···いいの?」 「うん!僕も買ったしオススメなんだぁ~♪」 笑顔で返事をしながらエクレアの袋を勢い良く開ける黒木。 「い、いただきます···」 黒木のオススメと奢りだから俺もその場で開けて一口分を指でエクレアのチョコレートが付かないようにちぎり口に入れた。 噛んだ瞬間。 「··美味しい··!」 「美味しいでしょ~♪」 この大きさと中のカスタードクリームのほどよい甘さ。しっかりとした生地なのに柔らかく舌触りも良い。 上にコーティングしているチョコレートが甘過ぎないのも合わさって····。 有名パティシエのお店で買うのと変わらない美味しさだ。 いくらコンビニスイーツでも流石に高いんじゃないか·····? 入学式終わって早々コンビニでバイトしてる黒木を心配して聞いてみた。 「··あの···このエクレアのお値段って···」 黒木は、自慢気に返した。 「税別200円!!ボリューム良し♪味も良し♪値段も良し♪だから僕のオススメなんだぁ~♪」 値段を聞いて驚きを隠せない俺。 手が震えた。 本当にこれで200円!? 安い···! 赤字にならないのか···? コンビニのスイーツってこんなに美味しいんだ··· 知らなかった。 今まで俺が食べていたエクレアより美味しい···  高いからって美味しいとは限らない。 改めて分かった。 「黒木さん···ありがとう。凄く美味しかった。」 直ぐ隣にいる黒木に目を合わせる事が出来ない。 「呼び捨てで良いよ♪」 黒木は、俺の方を見て言ってくれた。 「··じゃあ、俺のことも呼び捨てで···」  「あ、それは出来ない。」 なんで····????? 黒木は、その理由を教えてくれた。 「僕、好きな人にだけ呼び捨てにするって前から決めてるんだ!」 理由が分かり納得した俺。 休憩時間が終わる前に黒木と一緒にいた人の名前も教えてくれた。 土田蓮(つちたれん)。黒木と中学からの友人。 高校も一緒で大学も同じ。 長い友人関係が俺には羨ましい····· 俺は全く無い 黒木は気にしないのか···? 俺が目を合わせられないこととか···· 聞いてこない限り話さない方がいい気がした。 けど、気を遣ってんじゃないか?···って 理由を話しても気を遣ってしまうだろうし··· 負担になりたくない。 迷惑かけたくない。 黒木みたいに優しい友達は欲しいけど···· 気を遣わせてまで友達になってほしいなんて思ってない
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