その17

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その17

ア「まあ、アタシの方が年も下で、仕事のことだって偉そうに言えるほどの経験は積んでないんだけどね。」 サ「アイヴィーちゃんは、何の仕事をしてるの?」 ア「うーんと…正直に言うと、アタシにはメジャーの時の印税とかカラオケの何とか、とかのお金が、ほんの少しだけど未だに入ってくるんだ。」 サ「へえー!」 あ「それにバンドの売り上げと、シンが稼いでくるお金を合わせると、贅沢さえしなきゃ、今は何とか暮らしていけるんだよね。」 サ「すごいね、夢の印税生活だ。」 ア「まあね。でもアタシも勤労の大切さは身に染みて分かってるし、働いてないと自分がダメになるから。ここ何年かは、自分のデザインした洋服とかアクセサリーを、ブランドにして売ってるんだよ。」 サ「そうなの?全然、知らなかった。」 ア「まあ、そっちはバンドの方とは絡めてないからね。そういう商売はしたくないんだ。実力で勝負したいから。」 サ「もちろん、パンク・ファッションでしょ?」 ア「そうだけど、一般の女子も着られるようなデザインにしたり、いろいろ工夫してる。アタシ、前はショップでバイトしてたし、服飾には昔から興味があってね。」 サ「アイヴィーちゃんの、もう一つの顔だね。」 ア「最初はただの願望だったけどさ。メジャーの時にファッション雑誌とかにも取材される機会が多くて、その時に仲良くなった記者さんたちと、その後も話したりして、背中を押される形で“やってみようか”って思ってね。」
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