8月2日

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8月2日

 8月2日、私は小豆島行きのフェリーに乗って小豆島に行く予定だ。  ところが、ホテルの朝食バイキングがコロナの影響でやっていなくて、近くの牛丼チェーンで朝ごはんをしようと思った。しかし、なかなか見つからなかった。やっと見つけたが、迷ったせいで出港時間ぎりぎりだった。  私は小豆島行のフェリーに何とか乗ることができた。前かがみになって、朝から汗だくになっていた。  フェリーには、オリーブをモチーフにしたゆるキャラが描かれていた。そうだ、小豆島はオリーブでも有名なんだ。四国アイランドリーグの香川オリーブガイナーズの名前の由来にもなってるし。それに、オリーブを練りこんだそうめんもあるそうだ。  船内にはそこそこ人が乗っていた。中にはユニフォームを着た少年の集団と大人がいた。リトルリーグの選手と監督だろう。小豆島で練習試合だろうか。楽しそうな表情だった。  気持ちが落ち着いたところで、私は外に出た。瀬戸内海の島々を見ていた。いい風景だ。瀬戸大橋が開業する前は国鉄の連絡線でもこんな風景が見られたんだな。見たかったな。でも今は思い出でしかない。  船内のテレビで天気予報が流れていた。私は旅行中の四国の天気が気になって見入っていた。旅行中の四国の天気はずっと晴れだという。嬉しい半面、最高気温が気になった。  1時間ほどでフェリーは小豆島に着いた。小豆島に着くと、ごま油のいい匂いがした。この近くにある純正ごま油のかどやの工場からの匂いだろうか。私はしばらく酔いしれていた。  ここからはバスで小豆島をめぐる。まずは二十四の瞳映画村に行こうと思い、バスの時刻表を見た。まだ時間はあるので、私は土産物屋に行ったり、待合室で休んだりして暇をつぶすことにした。  土庄港周辺を歩いていると、様々な銅像を見かけた。オリーブの女神という銅像や、二十四の瞳の銅像だ。そういえば、二十四の瞳は映画で見たことがないし、小説を読んだことがない。レンタルビデオで見たいな。小説で読みたいな。  10時ごろ、私は映画村までのバスが発着するバス停にやってきた。待っている人はちらほら。まだ盆休みじゃないからだろうか。コロナの影響で少ないんだろうか。  約10分後、映画村行きのバスは土庄港を出発した。映画村までは1時間余り。ここからかなり遠くにある。  私はしばらくバスからの車窓を見ていた。港のある集落を外れ、山里を走っていると、民家に交じって醤油工場が見える。そうだった。小豆島は醤油も有名なんだ。その醤油で作ったつゆでそうめんを食べるのも最高だな。映画村に行ったら醤油ソフト食べなくっちゃ。  終点が近づくたびに、民家が少なくなってきた。バスは海沿いを走っていた。私は瀬戸内海の美しい海に見とれていた。  1時間余りで、二十四の瞳映画村に着いた。映画村の周りにはほとんど民家が見当たらない。映画村にはそこそこ人が来ていた。  私は入場料を払って中に入った。雰囲気としては太秦映画村に似ていたが、雰囲気は昭和で、初めて来たのに懐かしさを覚えた。  まずは土産物屋に行った。色んなグッズが売っていたが、その中には二十四の瞳のグッズの他に、オリーブ関連のグッズもあった。  私は土産物屋でいくつかのグッズを買ったが、オリーブ関連のグッズは買わなかった。そして、前から食べたかった醤油ソフトを注文する。外に出て、醤油ソフトを食べる。醤油にソフトクリームって、意外と合うもんだな。  その後、土産物屋をいくつか回って、私は分校に入った。中は二十四の瞳の風景が広がっていた。二十四の瞳をはじめ、昔の映画のポスターが多く展示されていた。その中には、カルメン故郷に帰るに登場した草軽電鉄の写真もあった。鉄オタ心くすぐられるな。  私はここでそうめんを食べようとした。しかし、メニューにそうめんはなかった。あるのはノスタルジックな弁当や学校給食を再現したものばかりだった。そうめんが食べたいのに。  私は映画村を後にして、そうめんを食べれる店を探した。しかし、見当たらなかった。バスは本数が少ない。さぁ、どうしよう。  と思っていたその時、オリーブビーチまで行ける渡し船があると聞いて、私はそれに乗った。まさに『助け船』だ。こう、何日も続けて船に乗っていると、船旅もいいもんだと思うようになってきた。  オリーブビーチに着くと、私は海の家を見て回った。泳ぐまでの休憩をするんじゃなくて、そうめんを食べるためだ。そうめんを食べるために海の家に行くなんて、考えもしなかった。  私はとある海の家でそうめんを食べることにした。客は誰もいなかった。コロナの影響だろうか。盆休みじゃないからだろうか。  しばらくして、店員がそうめんをつゆとともに持ってきた。何のあしらいのないそうめん。私が今まで食べてきたそうめんには卵やキュウリ、ハムなどのあしらいがあり、適当に取ってそうめんと一緒につけて食べていた。シンプルだけど、こういうのもいいな。そうめん本来のおいしさがわかって。  次の目的地は道の駅小豆島ふるさと村だ。ここでそうめんづくりが見れるそうなので行ってみたかった。そこまではバスと徒歩で行くのだが、バスが来るまでは少し時間があった。そこで暑さを逃れるために小豆島観光協会にいることにした。  小豆島観光協会は別名オリーブナビ小豆島だ。1階には小豆島にまつわる様々な説明書きがあり、待ち時間も楽しむことができた。  しばらくして、バスが来たのでそれに乗って私は丸山というバス停で降りた。ここからふるさと村までは徒歩で行くことにした。  私はふるさと村に向かって歩き始めた。夏の暑い日差しが照り付ける。とてものどかな風景だった。畑やビニールハウスが所々に点在していた。私の実家もそんな感じだったな。  突き当りのT字路を右に曲がると、道の駅が見えてきた。道の駅小豆島ふるさと村だ。少し外れたところにあるためか、そんなに賑わっていなかった。食堂は営業していなかった。  建物の奥に入ると、そこには感想中のそうめんが吊るされていた。まるで白いカーテンのように美しい。生で見たのは初めてだ。  バスを乗り継いで、私は土庄港に戻ってきた。今度は土淵海峡に行ってみよう。土淵海峡はギネス認定の世界一狭い海峡だ。  もう一度バスに乗って、私は土淵海峡の最寄りのバス停に着いた。どこが最寄なのか全くわからなかったが、運転手さんが教えてくれたので来ることができた。感謝感謝。  10分もたたないうちに、バスは土淵海峡の最寄りのバス停に着いた。私は土淵海峡に向かった。土淵海峡は上が遊歩道になっている部分があって、ここを歩きながらわたることにした。  私は土淵海峡の上の遊歩道を歩いた。私の他に何人かの人が来ていた。私と同じく記念写真を撮っている。この人も観光目的だろう。  しばらく遊歩道を歩いた私は、土淵海峡の横断証明書が欲しいと思った。証明書は土庄町役場の商工観光課で売ってるそうだが、土日祝日は役場の宿直室で売ってるらしい。私は役場の宿直室に向かった。  私は役場の裏にある宿直室に向かった。そこには、宿直の人がいた。私は声をかけて証明書がほしいと言った。証明書は1枚100円。私は迷わず買った。  今日の目的を達成した私はバスに乗って土庄港に戻ってきた。そろそろ高松に戻ろう。今日も1日よく遊んだ。
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