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人を殺そうとした罰として魂ごと消されそうになっていくリクを見てイクは死神に言った。
『なんとかならないの!?リクは僕の大切な家族でたった1人の兄弟なんだよ!お願い!何でもするから助けてあげて!リクを許してあげて下さいっ!』
“何でもするから”
その言葉にぴくりと反応した死神はにやりと不敵な笑みを浮かべると『今、何でもすると言ったな?』と聞き返した。
『リクが助かるなら』とイクは強く頷いた。
迷いはない。
大切な人を救いたい。
今まで見てきた人間の中で誰よりも真っ直ぐで純粋な心を持っているイクを見た死神は“やっと見つけた…”と心の中で喜んだ。
『ならば…』と死神は自分の左目を指で取り出すとそれをイクの前に差し出した。
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