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そして今、俺は放課後の薄暗い資料室に桜井を引っ張り込んで壁際に追い詰めている。
「どうしてこんなことするの」
明らかに桜井の表情は戸惑っている。そりゃそうだろう、昨日振ったはずの男に暗い部屋に連れ込まれてしかもソイツが自分の顔の両側に手をついて逃げられないようにしてるんじゃ、どうしていいかわかんないよね。でも俺だって好きな女のコ目の前にしてこれでもいっぱいいっぱいなんだよ。
「昨日のアレ、全然答えになってないよ」
「…一ノ瀬?」
「俺、桜井は俺のこと好きなんじゃないかって思ってた」
桜井が視線を逸らして下を向く。それはそんなわけないじゃん、という抗議の意味なのか、それとも図星?そんな妄想をするたびに俺の気持ちはイヤでも高まってくるんだ。
「友達がどうこうじゃなくて、桜井の気持ちを聞かせてほしいんだ」
「…今日この後ユカちゃんが家に来るの」
弱々しい声で、俯いたままの桜井がそういった。正直俺は少しイラついた。やっぱりダメなのか。
でも違った。
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