私の願い

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 これが私の日常。 都会でもなければそれ程田舎でもない人口約50万人くらいの地方都市の進学校で、毎日流行りの音楽やSNSの話、後は芸能人等手の届かない人達に対してヤキモキしながらお互いの傷を舐め合う。 何処にでもいる女子高生。 愛すべきそれなりの日常。 今まではそれで充分だった。 あの人を知るまでは。 「おっ! 噂をすれば来ましたよ!」  あの人が現れると場の空気が一変する。 まるで風が吹いた様に澄み渡り、廊下で屯する有象無象は視線を一点に集中させる。  スラリと長く伸びた手足。 美しく艶のある黒髪のロングヘアー。 左右対称で均整のとれた顔に筋の通った高い鼻。 小悪魔的なイメージを連想させる唇。 そして切れ長でくっきりとした二重幅の瞳からは強い意志と自信を感じる。 「はぁ〜、今日もキレイだな〜。」 「もう完璧!って感じだよね!!」  そう、完璧なのだ。 完璧過ぎて彼女を表現する為にその単語が産まれたと言っても過言ではないくらいだ。 「東條さん!おはよう!」 「おはよう!」  笑顔も完璧だ。 彼女は表情の動き一つで人の心をいとも容易く操る。  その一挙手一投足に一喜一憂する平民達。 そんな彼等を気に留める事なく彼女は颯爽とその場を後にする。  東條 亜里沙。  私は彼女を愛している。
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