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架空の世界
人生はおそらく自分の半身を見つける為の旅なのではないだろうか?
何故人は他の動物に比べて不完全な生き物なのか。
それはきっとこの世界の何処かに、その半身を人智の及ばない何かによって隠されてしまったからだ。
誰もがそれを本能的に求め、探す過程で成長し、手に入れた時にこの上ない充足感で満たされる。
でも全ての人がその半身を見付けられるとは限らない。
だから人は代わりに手の届く小さな欠片を掻き集め、足りない半身を補おうとする。
それで満足した気になって自分を騙す。
だが結局それらは仮染めの欠片でしかない。
本物を目にした時に集めた全てを投げ捨ててでも、手に入れずにはいられなくなる。
それほどまでに焦がれる。
たとえ手に入らないと分かっていても求めずにはいられない。
私は本物を見付けてしまった。
つまり、私のこれまでの日常は全て意味の無い物になってしまったという事だ。
何故なら私がそれを手に入れる事は決してないのだから。
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